浩瀚

追加SS付き
燈虫花想/夜紅虫さま

メールを戴いた時、くらっと目眩がして倒れかけました。
皆様、浩瀚でございます。私の「浩瀚のお題」の中の一場面で、しかも鳩羽色の髪に琥珀色の瞳というmy設定の通りの色で。

陽子がそっと覗いて見たのは、滅多に見られぬ頬杖をついての優しい微笑み。一国の冢宰である怜悧三十男をこんな隙だらけにした手の中の紙は何?と、 夜紅虫さまからお尋ねを頂いたのですが。
これはやはり主上の書かれたおもいっきり下手な字かなにかではと思うのです。彼が書いて与えた手本とは似ても似つかぬ字をそれでも一生懸命書く姿が可愛くて可愛くて・・・・、はたまた陽子が彼に質問するために書いた控えをその後こっそり他の書類に紛らせて持ち帰り、その時の表情を思い返しながら眺めているとかではないでしょうか。

ご覧になった皆様はどんな想像をされたでしょうか?

自称浩陽、だけどすっかり浩陽から遠く離れてしまった私の過去から現れたこの画に、浩陽への復帰のお誘いが聞こえるようです。

元になったSSは短編のページの「浩瀚で15のお題」の#10です。こちらから飛びます。

それからこちらは画を戴いてから書いた浩瀚視点で。
浩瀚の微笑みは手に持った紙というより、陽子が覗いていることが原因かも。

小さな羊が扉の陰で覗いてる。
紅い髪と碧の瞳が覗いてる。

いくらこっそり覗いても、私が貴女に気が付かないはずがないでしょう。

こんな姿を見られたことに少し困って、でもそのままそ知らぬ顔を装って。
でも貴女の眼差しがくすぐったくてつい唇が微笑んでしまいます。


いったいいつまで覗いているのです?

少し崩したのこの姿勢、ここならちょうど貴女がすっぽりと。
膝に乗り、これを一緒に読みますか?

そっと抱き寄せた手で貴女の紅い髪を弄びながら、
いくら書を読んでも分からないと書かれたこのたくさんの質問に
貴女のかわいい耳元で、いくらでもご説明致しましょう。

それがお嫌なら、早くお部屋へお戻りを。


ほら、早く。
狼が立ち上がるまでに。
貴女を見つけたふりをするまでに。



早くお逃げなさい。
warehouse keeper TAMA
the warehouse12